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松本有記の健康ブログ

春は難しい季節?東洋医学からみた春とは②

春は難しい季節?東洋医学からみた春とは① の続き

 

それから、春は「風(ふう)」を起こしやすい季節でもあります。

「風(ふう)」には「外風」と「内風」があり、外風は外気温など外からの条件によって起きますが(ex.寒いと寒邪(かんじゃ)を受けて風邪をひく)、内風は自分の体の状態が原因で起こります。

 

「風(ふう)」とは、ちょうど樹木が風によって揺れているイメージです。

昔は脳溢血を「中風(ちゅうふう)」と呼んでいました。いわゆる、突然倒れる状態を指します。

めまいなども「風(ふう)」に属します。

 

ちなみに、春になってめまいを訴える人が増えますが、春に調子が悪くなるのは、その人の冬の過ごし方に問題があったりします。

冬=夜であり、十分な睡眠をとっていると「精をたくわえる」ことにつながるので、冬の間にしっかり養生していると、樹木でいう根にあたる部分がしっかりする、と考えます。

(夜に十分睡眠をとっていると朝が楽なのと同じです)

根が細いと木は安定性がわるく、ちょっと風が吹いても揺れやすくなります。私たちも全く同じで、養生がちゃんとできていない人は体に余裕がなく、ちょっと悪条件が重なると、「風(ふう)」を起こしてくるのです。

 

春は陽の気が表に出ていきますが、しっかりと精を蓄えていた人は、“陰”がしっかりしている(脳にも十分血液、栄養が充ちている)ため、陽が陰のささえのもと、健やかに表現されます。すなわち、木の芽、枝がまっすぐ伸びていくエネルギーがしっかりとあるのです。

 

ところが、十分な蓄え(陰)がないと、枝を伸ばすエネルギーの不足が起きてきます。

肝(木)は健やかな樹木のように、真っすぐ枝を伸ばしていくことが大切なので、その伸ばすエネルギー(陽)不足になると、枝が伸び切りません。

 

人間も同じで、冬に精の蓄えができていない人は、春にイライラしてきます。

これを肝鬱気滞(かんうつきたい)と呼びます。

 

また、ストレスがかかっても気持ちが健やかに伸びないため、やはりイライラや頭痛などを起こしてきたりします。(これも肝鬱気滞です)

 

漢方的には症状に応じて、加味逍遥散や大柴胡湯(大柴胡湯去大黄)などの柴胡の入った漢方や、抑肝散などの釣藤鈎の入った漢方を使っていきます。

 

また、春は花冷えともいわれるように、日差しは強くともまだまだ地中が冷えているため、体が冷えやすい状態です。冷えると水の代謝がうまくいかなくなり、体が重かったり、鼻水が出やすくなったりします。ですから、冷たい飲み物などは控え、暖かい料理を食べるようにして、お腹を冷やさないようにしましょう。

服装も足元を冷やさないように気をつけ、またきちんと入浴して体を芯から温めることも大切です。

 

ちなみに当クリニックでは、めまいに対しては症状に応じて、天麻釣藤散や半夏白朮天麻湯、さらに「去風剤」として、当院オリジナルの蠍(さそり)の入った漢方薬(江戸時代から続く生薬問屋に頼んで作ってもらっている)を少し加味して、さらによい効果が得られています。

 


著者紹介

松本有記(まつもと ゆき)
松本 有記
(まつもと ゆき)

松本有記クリニック院長
自身が何十年にわたる体調不良に悩まされ、健康を追及していくなかで、東洋医学と出会い、オリジナルのオーダーメイド漢方薬、サプリメント、メディカルストレッチなど、全て自身が効果を実際に体感し、結果を出すことをモットーに、独自の治療スタイルを確立。生活習慣から姿勢指導、心のもち方まで幅広い角度からの診療を行っている。京都薬科大学卒業、神戸大学医学部卒業、兵庫医科大学病院(皮膚科/内科)、県立尼崎病院東洋医学科(非常勤)、尼崎永仁会病院漢方専門外来、松本有記クリニック院長

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